Last Updated on 2025年2月22日 by machopha
「タンパク質を摂取すると腎臓が悪くなる」
筋トレを始めてプロテインを摂取し始めた時に周りの方からこのように言われたことはないでしょうか?
以前X(旧Twitter)でもプロテインと腎臓に関わる投稿がありました。
「プロテインは毒。腎臓病の患者が10年で700万人以上増えている」
医師の方の発言のようですが、本当にエビデンスはあるのでしょうか?
腎臓の役割
腎臓は血液をろ過して尿をつくり、体内の水分や電解質のバランスを調節したり、ホルモンを産生したりしています。健康な腎臓の場合タンパク質の代謝物である窒素代謝物を十分に処理できる能力があります。これが腎機能が低下してくると代謝物が体内に残り、腎機能のさらなる悪化や尿毒症へとつながっていきます。
これが腎機能低下者がタンパク質を制限しないといけない理由であり、ネットなどによる流れてくる情報の理由になっているかと思います。
研究が進んでいかない理由
「調べれば簡単にわかりそうな内容じゃん」
と感じる方もいらっしゃるかと思いますが、そうはいかない理由があります。
科学的に強力な根拠を示すための研究方法として「介入研究」がありますが、こちらの研究は試験の対象に積極的に介入を行う必要があります。いわば、対象者に大量にタンパク質を摂取させないといけないということです。健康な腎臓にタンパク質がダメージを与える可能性があるこのような研究は倫理的にNGなので、答えを見出すための試験が難しいということです。
結論、タンパク質は腎臓に悪いの?
正常な腎臓にもタンパク質がダメージを与える可能性がある
断言をできないというのが今の研究の状況です。論文を見ても影響あり・影響なしそれぞれの内容のものが多くあり、決定打に欠けている状況です。
その中でも私が気になった論文の内容がありますので紹介させていただきます。
論文紹介
〇タンパク質源によるリスクの違い
基本的にはタンパク質の過剰摂取は腎臓にダメージを与える可能性を示唆していますが、タンパク質源によってリスクに違いがあるということです。
約15年間追跡調査をした研究結果では「赤身肉を摂取すればするほど、腎臓病の発症、末期腎臓病のへの悪化のリスクが高まる」というデータがありました。また、その赤身肉の摂取を白身肉や魚に変えた場合は腎臓病のリスクが減少することも示されており、同じタンパク質でも食事の内容を変えればリスクを減らせるということです。
冒頭の「タンパク質を摂取すると腎臓が悪くなる」という話に戻りますが、私は
「過剰摂取をしなければプロテインが腎機能低下に直接的には影響しないだろう」
と考えています。あくまで1日3食の食事が大前提で、トレーニング前の補助的な役割でプロテインを摂取するなど調節していれば過剰摂取にはならず、大きな影響はないと考えています。
健康的な日々のトレーニングライフの充実のため、ぜひ参考になればと思います!
X(Twitter)もやっていますのでぜひご覧ください!